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コラム

2023年10月から最低賃金額が改定されます!

自分が今、働いて得るお給料は正しい金額をもらえているのか、高いのか低いのか、考えたことはありますか。毎年この時期に発表される「最低賃金額の改定」ですが、働くすべての人に関係する「最低賃金」についてきちんと理解することで、労働に対する最低限の対価を得ているのかを確認する必要があります。2023年の最低賃金の引き上げは、全国平均43円アップと、昨年に引き続き過去最高額の引き上げ幅となります。また全国の平均時給が1,004円となり、初めて時給1,000円を超えることとなりました。事業主の皆さんには特に、「最低賃金」に関してしっかりと理解し、労使トラブルや罰則の対象とならないようにしましょう。そして人件費の見直しを行う機会にしましょう。

最低賃金とは

※最低賃金制度に関する定義や種類、対象となる労働者などの詳細は「お役立ち情報:最低賃金制度」をご参照ください。

※最低賃金の計算方法については「お役立ち情報:最低賃金制度」をご参照ください。

2023年10月改定の最低賃金

最低賃金額を決める際に、各都道府県の経済実態に応じて全都道府県をA、B、Cの3つのランクに分け、それぞれに今年度の引上げ額の目安が提示されます。2023年7月28日に行われた中央最低賃金審議会で使用された各都道府県の目安は以下となります。

Aランク41円Bランク40円Cランク39円

ランク 都道府県
A 埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪
B 北海道、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、福岡
C 青森、岩手、秋田、山形、鳥取、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄

※地域別最低賃金額改定の目安に関する答申や公益委員会の見解等は厚生労働省該当ページをご参照下さい。

上記の目安からすると、全国の平均上昇額は41円(昨年は31円)となり、過去最高の引き上げ額となることがわかります。そして、この目安を基に各地方最低賃金審議会が調査・審議して答申した結果を取りまとめたものが2023年8月18日に発表されました。地域別最低賃金の答申では、全国加重平均額は昨年度から43円引上げの1,004円となることが決定しました。※参考ページ

具体的な各地域の最低賃金額の改定後の額は厚生労働省発行の最低賃金関連ページをご参照下さい。このページには最低賃金の基礎知識や、労働者が自身の賃金と最低賃金を比較できるツール、中小企業事業主向けの助成金情報なども揃っていますので、一度ご覧ください。

最低賃金と助成金

2023年10月以降の最低賃金額の改定によって、労働者の賃金額が上がる場合、以下の3つの助成金が対象となる可能性がありますので、ご参考までにご確認下さい。

業務改善助成金
中小企業・小規模事業者向けに、業務改善・生産性向上のために国が助成金として支援し、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引上げを図るための制度です。生産性向上のための設備投資や事業場内最低賃金の一定額以上の引き上げに対してかかった費用の一部を助成します。

働き方改革推進支援助成金
時間外労働の削減や年次有給休暇取得の促進に向けた環境整備等に取り組む中小企業事業主向けに、設定した成果目標に対する達成状況に応じて、実施に要した費用の一部を助成するものです。

キャリアアップ助成金
有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者などの非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップのために、正社員化や処遇改善等の取組を実施した事業主に対して助成する制度です。労働者の仕事への意欲・モチベーションアップ、そして能力向上によって事業の生産性を高めるため、そして優秀な人材を確保するためにこの助成金を活用することができます。

2023年4月から賃上げにより助成金額が加算されます

生産性要件廃止と賃上げ要件の新設

雇用関係助成金で設定されていた「生産性要件」が廃止され、「賃上げ要件」が新設されました。「生産性要件」とは、助成金の支給申請を行う直近の会計年度における「生産性」が3年度前に比べて6%以上に伸びている場合に、助成金額や助成率の割り増しが行われることを指します。一方、「賃上げ要件」とは、従業員に支払われる賃金の上昇のことを指します。助成金の種類に応じて、賃金上昇に関する要件と、加算される助成金額や助成割増は異なります。

賃上げ要件が適用される助成金リスト

以下の助成金が、賃上げ要件の新設によって助成金額や助成率の割り増しが行われる助成金となります。

  • 人材確保等支援助成金(介護福祉機器助成コース)
  • 人材確保等支援助成金(テレワークコース)
  • 人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備コース)
  • 人材確保等支援助成金(若年者及び助成に魅力ある職場づくり事業コース)
  • 人材確保等支援助成金(作業員宿舎等設置助成コース)
  • 人材開発支援助成金(建設労働者認定訓練コース)
  • 人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)
  • 人材開発支援助成金(人材育成支援コース)
  • 人材開発支援助成金(人への投資促進コース)

最低賃金改定がある、つまり最低賃金が引き上げられるということは、事業場内でも賃金上昇するきっかけとなります。これは、助成金申請または加算を受けられるチャンスでもあるということです。可能性のある助成金又は助成金加算要件を上手に利用していきましょう。

賃金

最後に

今回の最低賃金の引き上げは全国平均43円アップと過去最高額の上げ幅となります。昨今の原材料費の高騰に加え、人件費も企業にとっては大きな負担となりますが、最低賃金額の改定によって現在の賃金額の見直しを行うだけに留まらず、人件費以外の経費の見直しや削減、生産性向上に向けた取り組み、利用できる助成金の活用、そもそもの経営方針についても今一度検討する時期となるのではないでしょうか。

弊社では賃金引上げを支援する助成金に関しての提出代行、生産性向上に向けた経営コンサルも行っておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

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