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コラム

令和5年度 労働保険の年度更新の準備は進んでいますか

労働保険の年度更新は、毎年3月分までの直近1年間の賃金総額を基に保険料の申告と納付を行うことをいいます。会社では、労働者が1人でもいる限り毎年更新手続きが必要となります。令和5年度の労働保険の年度更新は、令和4年4月~令和5年3月までの賃金を基に労働保険料の計算を行い、保険料の申告と納付を行います。令和5年度の労働保険の年度更新期間は令和5年6月1日~7月10日です。皆さんは年度更新の準備は進んでいますか?

労働保険の年度更新

労働保険の年度更新の準備をするにあたって、まずはその概要をおさらいしていきましょう。

労働保険の概要

労働保険とは、「労災保険」と「雇用保険」を総称した保険をいいます。労働者を1人でも雇用する事業所はすべて「強制適用事業所」となり、保険への加入が義務付けられています。労災保険料は全額事業主負担、雇用保険料は事業主と労働者それぞれの負担となります。※労働保険の「適用事業所」の詳細は「お役立ち情報:保険適用事業とは」をご参照下さい。

年度更新とは

労働者に支払った賃金総額をもとに算出される労働保険料に関して、毎年3月分までの直近1年間の賃金総額を基に申告と納付を行うことを労働保険の「年度更新」といいます。※労働保険料を算出する際の賃金総額に含まれるもの・含まれないものについては別ページ「お役立ち情報:賃金・報酬」をご参照下さい。

労働保険料の算出方法の3つのポイント

  1. 原則、令和5年度の更新分については、令和4年4月~令和5年3月までの賃金総額を基に、
    • 令和4年4月~令和5年3月までの確定保険料(確定清算分)
    • 令和5年4月~令和6年3月までの概算保険料(仮払保険料)
      上記の2つを加算した保険料を算出します。
      ※具体例を用いた計算方法は、別ページ「お役立ち情報:労働保険の年度更新」をご参照下さい。
  2. 賃金総額の見込み額が前年度よりも大幅に変動する予定の場合、見込み額から概算保険料を算出します。
  3. 建設業の場合は、賃金総額の代わりに請負金額や労務費率を用いて算出します。

その他、保険料率や年度更新の時期、手続きの流れに関する詳細についても、別ページ「お役立ち情報:労働保険の年度更新」をご参照下さい。

雇用保険料

年度更新のQ&A

Q.令和4年度の雇用保険料率が年度の途中で変更となっていますが、どのように計算しますか?

今年度の労働保険年度更新に係る雇用保険料率は、令和4年4月1日~9月30日(前期)と令和4年10月1日~令和5年3月31日(後期)で異なります。令和4年度確定保険料を算出する際は、この前期と後期に分けて確定保険料を算出する必要があります。具体的には、下記のようなステップとなります。※厚生労働省資料引用

  • ステップ①
    「確定保険料算定基礎賃金集計表」に賃金の総額を記入し、前期・後期別に集計します。
  • ステップ②
    「確定保険料算定基礎賃金集計表」の下段に新規に設けた「令和4年度確定保険料算定内訳」欄を使用し、保険料算定基礎額と保険料額を前期・後期別に算出します。
  • ステップ③
    ステップ2で算出した保険料算定基礎額と保険料額を、年度更新申告書の下段に新規に設けた「㉜期間別確定保険料算定内訳」欄及び申告書中段の「確定保険料算定内訳」欄に各々転記します。

上記に伴い、令和5年度の年度更新は、申告書と確定保険料算定基礎賃金集計表の様式が変更となっています。書き方については、こちらの資料にも記載がありますのでご確認下さい。

Q.マルチジョブホルダー(マルチ高年齢被保険者)は対象となりますか?

まず、「マルチジョブホルダー制度」とはなにか、という点についてですが、雇用保険マルチジョブホルダー制度とは、高年齢者雇用安定法の改正に伴い令和4年1月から施行されている制度で、働く高齢者を支援するため、複数の事業所で働く65歳以上の労働者が、特例的にある一定条件下でマルチ高年齢被保険者として雇用保険に加入することができる制度をいいます。

この一定条件とは、複数の事業所に雇用される65歳以上の労働者であること、複数の事業所での労働時間の合計が1週間20時間以上となこと、2つの事業所のそれぞれの雇用見込みが31日以上であることで、特例的に雇用保険の被保険者となることが可能となります。

※その他、この制度の詳細については、別ページ「法改正:【令和4年1月施行】マルチジョブホルダー制度(65歳以上)」をご参照下さい。

この制度によって、マルチ高年齢被保険者は資格を取得した日から、雇用保険料の納付義務が発生します。つまり労働保険料の年度更新についても対象者となります。資格取得日は「雇用保険マルチジョブホルダー雇入・資格取得確認通知書(事業主通知用)」に記載されていますので、そちらをご確認下さい。

Q.通勤手当・交通費は集計に含まれますか?

通勤手当・交通費は賃金総額の集計に含まれます。定期券などを現物支給している場合でも集計が必要となりますので、集計漏れのないように注意してください。ただし、出張旅費などの実費弁償と考えられるものは集計には含まれません。その他、賃金総額に含まれるもの・含まれないものについては、別ページ「お役立ち情報:賃金・報酬」をご参照下さい。

Q.役員報酬は集計に含まれますか?

原則、法人の役員に対する報酬は賃金総額の集計に含まれません。理由としては、役員は労働者としてみなされないためです。法人役員の地位にあっても、事実上労働者として認められる場合もありますが、労働者性のある役員として取り扱うためには、雇用保険上「兼務役員」としてハローワークからの認定が必要となります。兼務役員として認められた場合には、役員報酬の部分は省いた賃金を、労働者としての賃金として集計に含めて計算をします。
賃金総額を集計する際に含める人、含めない人がどのような雇用形態の人なのかについての詳細は、別ページ「お役立ち情報:労働保険の年度更新の労災保険・雇用保険における賃金の取り扱い表」をご参照下さい。

最後に

今年度の年度更新期間は、令和5年6月1日~7月10日となります。手続きが遅れたり、申告に誤りがあった場合には追徴金が加算されることもありますので、ご注意ください。また年度更新は年1回のお手続きで、とっつきにくく分かりにくいお手続きです。計算方法をしっかりと理解した上で、手続きを進めましょう。弊社でもお手伝いすることが出来ますので、ご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。

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