協会けんぽの各種申請書様式が2023年1月から変更となりました!
申請書様式の変更
全国健康保険協会(協会けんぽ)は、2023年1月以降の申請において以下の申請書様式を変更しました。申請書類記入におけるわかりやすさや記入のしやすさを考慮し、より迅速に給付金の支払いができるように配慮された変更となります。以下に記載されているものは、主に申請される方がより多いものとなります。
- 傷病手当金
- 出産手当金
- 出産育児一時金
- 任意継続関係の申出書
- 保険証再発行にかかる申請書 等
その他、申請様式が変更となった給付金等は、協会けんぽの公式ページに掲載されていますので、ご参照ください。
申請様式変更のポイント!
2023年2月現在、旧様式から新様式への移行期間でもあるため、旧様式での提出も受付可能なようですが、旧様式で申請を行った場合、事務処理にかかる時間が長くなるようですので、出来る限り新様式を使用して申請を行いましょう。
変更に伴う実務対応
今回の申請書様式の変更において、書類作成において簡単になった点もありますが、実務で気を付けなくてはいけない点もあります。事前に知っておく必要があるポイントを2つご紹介します。
傷病手当金や出産手当金の申請書から「受取代理人欄」が削除になりました!
傷病手当金や出産手当金の申請書から、受取代理人の欄が削除されました。これは、給付金自体が被保険者に直接給付されるべきものであること、そして受取代理人を指定して給付金が支払われることによる詐欺や不正受給などを防ぐ目的があります。
被保険者(従業員)が傷病手当金の受給中であっても社会保険料の免除はされないため、被保険者(従業員)は自身の負担分を会社に納める必要があります。そのため、会社側が社会保険料の労働者負担分を確実に回収し、社会保険料の支払いを行うために受取代理人制度を利用していた、というケースも少なくないと思います。
今回の様式変更に伴い、この受取代理人制度を利用してきた会社は対応の変更が求められます。傷病手当金は被保険者(従業員)に直接支払われるようになるので、毎月の傷病手当金の受給後に支払い指定日を設定して会社に労働者負担分を振り込んでもらう方法、もしくは会社が一時的に労働者負担分を立替えし復職後に全額返金してもらうという方法があります。前者のほうが一般的で、後者は、休職から最終的に復職できず退職になった場合、未回収のリスクがあることも念頭において、被保険者(従業員)が休職期間に入る前に労働者負担分の社会保険料をどのように徴収するのか取り決めを行うことが大切です。
事業主証明の記入方法が大幅に変更となりました!
傷病手当金や出産手当金の申請における事業主証明の記入方法が大幅に変更となりました。
- 被保険者氏名はカタカナで記入します。
- 今までは勤務状況欄に欠勤日、公休日、有休消化日の記載も必要でしたが、出勤日のみ該当日に〇をつけるという記入方法に変更となりました。
- 申請期間中の出勤していない日の給与に対して、支給された給与のみ記入するかたちに変更となりました。
- 有給や固定給の証明の記入欄が固定枠となり、その中に記入するようになりました。
記入例をみながら変更箇所が確認できる記入方法の詳細については、協会けんぽ(兵庫支部)発行の資料をご参照ください。
最後に
申請書様式が新様式になったことで、傷病手当金など会社が受取代理できなくなり、社会保険料の労働者負担分の回収が難しくなることが予想されます。前の項でご紹介したように、会社側が一時的に立て替えることも可能ですが、回収できないリスクが大きいのも現実です。休職前に労働者としっかりと話し合った上で取り決めを交わしたり、休職中の連絡手段を確認した上で定期的に連絡を行ったりするなど、毎月の指定期日に社会保険料を回収できる仕組み作りが重要です。
弊社ではこのような人事労務管理や経営に関するご相談をお受けしております。ぜひお気軽にお問い合わせ下さい。