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コラム

【2022年1月最新版】新型コロナウイルス感染症の影響に伴う雇用調整助成金の特例措置

今回の記事は、2021年7月に投稿した「コラム:新型コロナウイルス感染症の影響に伴う雇用調整助成金の特例措置」の更新版となります。記事の投稿から半年が経ちますが、依然として新型コロナウィルスの感染拡大は収まらず、デルタ株やオミクロン株といった変異株が現れ、引き続き、世界的にそして国全体としての感染拡大予防策や企業に対する給付金などの対策がとられています。前回ご紹介した新型コロナウイルス感染症に伴う雇用調整助成金の特例措置において、2022年1月以降に更新された主な点についてご紹介していきます。

おさらい:雇用調整助成金とは

人々の消費行動の変化による景気変動や産業構造の変化による売り上げの減少などの経済上の理由によって、事業の縮小を余儀なくされた事業主に対して、労働保険法に基づき、従業員の安定した雇用の維持と失業防止を目的として、従業員を一時的に休業させたり教育訓練や出向などを実施する際に発生する費用を、国が一部助成する制度です。この雇用調整助成金の特例措置は、「新型コロナウィルス感染症の拡大」に伴い、期間の延長や内容の更新が随時行われていますので、事業主の皆さんには引き続き最新の情報をご確認いただきたい制度となります。

※雇用調整助成金を受給するためには、労使協定に基づき休業を実施し、従業員へ休業手当を支払っているということが前提となります。

雇用調整助成金のガイドブック

新型コロナウィルス感染症の影響による特例措置における更新内容

前回の7月の記事では、新型コロナウィルス感染症の影響における特例措置の緊急対応期間は、2020年4月1日から2021年7月31日までの期間となっていました。その期間が新型コロナウィルス感染症の拡大状況により随時延長され、2022年1月現在では、 2020年4月1日から2022年3月31日までに延長されています。下記にて、最新の特例措置の助成内容をご紹介します。

2021年12月21日更新の特例措置の内容

引用:雇用調整助成金ガイドブック(簡易版)2021別ウィンドウで開く年12月21日現在版

(注)判定基礎期間に応じて助成率や上限額が異なりますのでご注意ください。

※業況特例・・・売上高等の生産指標が最近3か月平均で前年、前々年または3年前同期に比べ30%以上減少している全国の事業主が該当します。業況特例に関する業況の再確認について別見出しでご紹介します。

※地域特例・・・緊急事態宣言対象区域もしくはまん延防止等重点措置を実施すべき区域において、特定都道府県知事の要請を受けて営業時間の短縮等に協力する事業主が該当します。 緊急事態宣言対象区域もしくはまん延防止等重点措置を実施すべき区域 や期間については、厚生労働省のHPをご確認下さい。

2022年3月までの助成率と助成額の具体例

<助成率>

雇用調整助成金の特例措置における助成率の規定は、下記のように2022年3月分まで更新されました。

判定基礎期間 2021年5月~12月 2022年1月・2月 2022年3月
中小企業 原則
解雇あり 解雇なし
4/5 9/10
上限13,500円
解雇あり 解雇なし
4/5 9/10
上限11,000円
解雇あり 解雇なし
4/5 9/10
上限9,000円
業況特例
解雇あり 解雇なし
4/5 10/10
上限15,000円
解雇あり 解雇なし
4/5 10/10
上限15,000円
地域特例
解雇あり 解雇なし
4/5 10/10
上限15,000円
解雇あり 解雇なし
4/5 10/10
上限15,000円
大企業 原則
解雇あり 解雇なし
2/3 3/4
上限13,500円
解雇あり 解雇なし
2/3 3/4
上限11,000円
解雇あり 解雇なし
2/3 3/4
上限9,000円
業況特例
解雇あり 解雇なし
4/5 10/10
上限15,000円
解雇あり 解雇なし
4/5 10/10
上限15,000円
地域特例
解雇あり 解雇なし
4/5 10/10
上限15,000円
解雇あり 解雇なし
4/5 10/10
上限15,000円

<具体例>

新型コロナウィルス感染症の影響により経済状況が悪化し、売上が3年前同期よりも30%以上減少(業況特例の対象)していた為、人件費を削減せざるを得なくなった兵庫県内の旅行会社(中小企業)が、全社員20名に対して、2022年1月1日~1月31日に週5日勤務から週2日勤務(月間12日休業とする)へ勤務日数を変更し、全員の雇用を維持しながら給与の支払いに助成金を活用した場合、以下のように支給額が決定されます。

日額上限額15,000円 × 12日間 × 20名 = 3,600,000円

月額360万円の助成金が受給できるかたちとなります。

雇用調整助成金の受給対象期間の延長

雇用調整助成金は、通常であれば1年以内に実施した休業等について受給することが出来ます。しかし、新型コロナウィルス感染症の影響による特例措置の延長に伴い、1年を超えて引き続き受給することが可能となりました。1年を超えて引き続き受給することができる期間は、2021年12月31日から2022年3月31日へ変更となっています。

解雇等の有無の確認方法

2021年12月まで
2020年1月24日から判定基礎期間の末日までの解雇等の有無及び「判定基礎期間末日の労働者数が各月末の労働者数平均の4/5以上」の要件により適用する助成率を判断、地域・業況特例については2021年1月8日以降の解雇等の有無

2022年1月以降
2021年1月8日から判定基礎期間の末日までの解雇等の有無及び「判定基礎期間末日の労働者数が各月末の労働者数平均の4/5以上」の要件により適用する助成率を判断、 地域・業況特例については2021年1月8日以降の解雇等の有無

業況特例における業況の再確認

「業況特例」とは、 売上高等の生産指標が最近3か月平均で前年、前々年または3年前同期に比べ30%以上減少している全国の事業主に対して適用される雇用調整助成金の特例措置です。2021年12月までに、この業況特例を利用している事業主、つまりそれ以前に業況の確認を行っている場合でも、改めて、判定基礎期間の初日が2022年1月1日以降の休業等について雇用調整助成金の特例措置の申請を行う場合は、 再度、業況の再確認が必要となります。最初の申請の際に、申請書類と共に、比較した月の売り上げがわかる書類や休業させた日や時間がわかる書類、休業させた日や時間がわかる書類等を提出する必要がありますので、ご注意下さい。

最後に

現在でもデルタ株に続きオミクロン株が全国的に拡大しており、2022年1月に入ってからも「まん延防止等重点措置」が実施され、地域特例の対象となる地域が拡大している現状です。今後の感染拡大も考えると、さらに地域特例の対象地域が拡大していくことが予想されます。今後の動きに関しても、引き続き、厚生労働省をはじめ関係省庁が発表する特例措置を確認し、新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受けている事業主様のサポートを行っていきたいと考えております。

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